今回の活動は、同校の野外活動カリキュラムで、羅臼町沿岸部における、ごみの実態調査と清掃活動が目的となっており、
私たちは、毎日新聞社の富士山再生キャンペーン事務局による、富士山・知床・国後・択捉・色丹連携ゴミ清掃活動の
第一弾としてお邪魔させていただきました。
生徒の皆様は、普段から地元の自然や環境問題に取り組んでいることから、とても熱心に活動しているのがとても印象的で、
学校の教育方針がしっかりと根付いているのを強く感じました。
その一方、ごみ問題は、富士山周辺の沿岸部と変わらず、国内外からの漂着ごみに加え、家電製品や自転車、タイヤなどの
悪質な不法投棄が多く見られ、水産業を中心としている羅臼町でも非常に深刻であると感じました。
また、世界自然遺産「知床」では、野生動物との共存にも様々な問題を抱えており、、観光客による野生動物の餌付けや
過剰な保護施策により、人間と野生動物の生活圏の境界が無くなりつつあるとのことでした。
今回その現実を目の当たりにしてきましたので一部紹介します。
【上左図】
薄暮型のエゾジカが、日中にもかかわらず、住宅街まで下りてきて食事をしています。
本来非常に警戒心が強い動物のはずが、5mぐらいまで近付いても逃げません。
【上右図】
人間に餌付けされたキタキツネ。
車が近付くと沿道の茂みから出てきてお座りして餌を欲しがります。
このような状況で交通事故に遭う事象が頻発しているそうです。
今回の活動で、人間の社会活動を起因として、世界自然遺産「知床」が様々な問題を抱えていることを知ることができました。
世界文化遺産登録を控えている富士山も、先輩世界遺産の現状をよく踏まえた上で、
官民一体となった保全計画を考えなくてはなりません。