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団体会員トップに聞く Vol.08

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株式会社ホンダクリオ富士(HondaCars富士中央)
前嶋丈浩代表取締役社長、前田正和常務取締役

富士山への想いに込める、地域への貢献と自己の啓発

株式会社ホンダクリオ富士(HondaCars富士中央)前田正和常務取締役株式会社ホンダクリオ富士
(HondaCars富士中央)
前田正和 常務取締役
株式会社ホンダクリオ富士(HondaCars富士中央)前嶋丈浩代表取締役社長株式会社ホンダクリオ富士
(HondaCars富士中央)
前嶋丈浩 代表取締役社長
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御社の創業は1976年とありますが?
前嶋
会社組織にしたのはその年で、創業は戦後、私の祖父が富士宮の本町通りではじめた自転車屋まで遡ります。実は戦前は米屋だったのですが、戦後、祖父が「これからは自転車だ」と、販売や修理など人を使って、ほそぼそとやっていたようです。本格的に商売を始めたのは、父が学校を卒業後、東京の自転車屋で丁稚奉公をし、帰って来てからでしょうね。時代の流れとともに、自転車に加えオートバイを扱いようになりました。当時、オートバイメーカーは日本に100社以上あったようですが、その中からホンダを選んだ。その理由はエンジンだったようです。ホンダのエンジンは他社に比べ複雑ですが、一度覚えると、分解がスムーズにできるなど、他社に比べ秀でたところがあったようです。
 
さらにホンダが二輪から四輪に移り進むにつれ、わが社も自然と自動車も扱うようになり、1976年に株式会社になったわけです。まあ、これからは「自転車だ」という気持ちが「オートバイ」になり「車」になっていったわけです。
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まさに日本のモータリーゼーションの歴史がそのまま会社の歴史といった感じですね。
前嶋
そうです、自動車だけにうまく乗っかってきた、というわけですね。そしてその次の分岐点がホンダの販売店系列の分離ですね。1980年代に入り、それまで全国に点在していたホンダの販売店が軽自動車の「プリモ」、スポーツ車の「ベルノ」、そして高級車の「クリオ」の3つに分かれました。その時、うちの店が地区の中で売上がトップということもあり「クリオ」になり、社名も「ホンダ・クリオ」になりました。単価の高い車を売れるということが、後々の発展に寄与しましたね。
 
その後、わが社が飛躍的に伸びたのは平成(1989年~)に入ってからでしょう。ホンダもミニバンを中心に車種が増え、それと同時にわが社もそれまでは1店舗で社員数も30人程度でしたが、2年程度の間にお店も3店舗になり、社員数は70人以上になりました。同時に車の売上げも1989(平成元)年当時、年間360台程度だったものが、今は1300台以上に伸びています。
富士市内に3店舗あり、会社の雰囲気が抜群と毎年韓国からも研修に訪れる。富士市内に3店舗あり、会社の雰囲気が抜群と毎年韓国からも研修に訪れる。
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最近の車を取り巻く事情はいかがですか?
前嶋
自動車の国内販売は年間750万台をピークに、ここに来て500万台と、市場規模が3分の2に縮小しました。それにはいろいろな理由がありますが、まずバブルがはじけたこと。さらにはお客様の買い替え期間が長くなりましたね。昔は平均5年5ヶ月だったものが今は8年6ヶ月です。さらに車の性能がより一層良くなり故障しなくなったことも大きいですね。そして若者の車離れです。昔の若い人は、欲しいものの5番目か6番目は車でしたが、いまはそれが15番目とか16番目でしかない。
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生き残り策も大変なのでは。
前嶋
おっしゃる通りですね。概念的な話になってしまいますが、付加価値をいかにつけていくか、これに尽きるでしょう。今まではお店があって、メーカーから来た車を、欲しいとおっしゃるお客様にお渡ししていたわけですが、これからはそれだけではないお店を作ることが大事なのでは。そのために何をするのかということですが、一つは地域とのつながりを大事にする、ということでしょう。その一環として年一回、8月の最後の土日に「まごころ感謝祭」を開いております。今年で12回目になります。その日は3店舗すべてが商売抜き。車を片付け、焼きソバや野菜の安売り、さらには射的コーナーや、ネール・アートなど、お客様と社員が一緒になって楽しめるような催しです。
 
お客様に楽しんでいただくのが第一であることは変わりありませんが、実は我々の社員も、お客様とお話しする機会は意外に少なく、常にもっとお話できれば、と思っていました。このイベントを機会に、お客様と一緒に楽しむことで、地域とのつながりができ、それが長い目でみれば、車の売り上げへとつながっていくのではないかと思っています。
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中学生を対象にした「職業体験」も実践されていますね。
前嶋
地元の青年会議所(JC)の発案で昨年からはじまりました。秋の1日、10人程度の中学生が私どものお店を訪問、整備工場や、事務仕事を1日体験するわけです。我々としては、中学生の皆さんに楽しんで仕事体験してもらいたい、という気持ちはもちろんですが、それ以上に、対応する社員も何かを感じ取って欲しいと思っています。自分たちの仕事が、中学生に受け入れられる中で、社会に何らかの影響を与えている、ということが分かれば、また仕事に対する意気込みも違ってくるのではないでしょうか。
 
中学生とのお付き合いは実はお店だけではないのです。その前に私が学校に行って、皆さんの前で「職業講和」なんていう感じで、お話しをしています。
店舗に富士山クラブの活動支援のための募金箱を設置店舗には、富士山クラブの活動支援のための募金箱を設置、環境保全を呼びかけている。
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どんなお話しをなさるのですか。
前嶋
テーマはリーダーシップです。例えば教室に30人程度のお子さんがいれば、「今からグループ作りをします」といって、5人程度のグループに分けます。その時「チームに分けるにはリーダーが必要です。自分がリーダーをやってみたいと思う人は手を上げてください」という。
もちろん誰も手を上げません。そこで何人かに聞いてみます。「なんで手を上げなかったのですか?」と。
答は「プレッシャーがかかる」「責任が重そうだから」など言うわけですよ。そこで「誰か手を上げてくれないと、次にやる勉強ができません」というと、何人かがちらほら手を上げてきたりする。そこで「手を上げられる人と、上げない人がいましたね。実はそれが社会に出ると大きな差になるのですよ」とお話ししたりするわけです。
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まさに会社経営そのものですね。
前嶋
おっしゃるとおりですね(笑い)。でも中学生にお話しし、その反応を見たりしていると、自分の気持ちが高まってくるのが分かり、すごく楽しいですよ。
そんな時は、会社は単に利益を上げるために存在するのか、それとも地域で、ある使命をもって、それを追求するために利益をあげていくのか、などと考えることもあります。いずれにしても利益を上げることが、目的ではなく、一つの手段なのだと考えると、経営の根本から何かが変わってくるような気がします。

清掃活動がもたらす、本業への相乗効果

社員が率先して参加する環境保全活動は地域貢献する企業としてメディアにも紹介されている。社員が率先して参加する環境保全活動は地域貢献する企業としてメディアにも紹介されている。(岳南朝日新聞 08年5月23日付より)
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韓国からの視察団の受け入れられているようで。
前嶋
これは実は少なからず富士山が関係しているようです。韓国は車を売るお店と、その車の整備をするところが完全に分かれているようです。そのうち整備を担当する会社の人々が、年4回から5回、日本各地を観光を兼ねて、ディーラーなどに視察に来ます。
コースはディズニーランドからはじまり、浅草などを回れば、次は富士山なんでしょう。
その富士山の近くのディーラーの中からわが社が選ばれたようです。3年ほど前から始まり、毎年来られるようになりました。理由はよく分かりませんが、聞くところによると、わが社の皆が親切に対応したことが、喜ばれているようです。
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ところで、その富士山のお話しですが、最近、富士山が世界遺産に登録されるかどうかなどを含め、話題になることが多いようですが、最近の富士山の現状をどう思われますか。
前嶋
富士山が世界遺産になると我々地元の人間は住みにくくなる、という意見もあるのも事実です。確かに世界遺産になり、それに伴う規制があったりしたとき、我々はこれまで同様、富士山と共存していけるのだろうか。負担にならないか、といわれたりしてもいます。
しかし、私は富士山の麓で生まれたことで、ずいぶん得しています。
例えば遠くに行くと、富士市がどこにあるか知らない人も多いのですが、「富士山の麓ですよ」といえば、分からない人はいません。富士山が世界遺産になれば、世界中の人が「富士山の麓」で理解してもらえるわけですから、たとえ住みにくくなろうとも、素晴らしいことなのでしょう。
平日のお休みを利用して、社員が富士山清掃を定期的に実施している。平日のお休みを利用して、社員が富士山清掃を定期的に実施している。
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では、富士山クラブに入会されたきっかけは。
前田
わが社の「経営理念」の中に「地元・地域への貢献」という一項目があります。2004年頃、販売促進のためのチラシを配る時、ただ車の宣伝をするより、やはり理念に沿った内容で、何かできないか。何か無いかなとさんざん考えた時、「そうだ富士山だ」と思ったわけですよ。それからいろいろ調べてみたら、富士山クラブという市民ボランティア団体にいきあたりました。
早速、事務局に電話をしてみたら、「今度、清掃活動がありますから、参加されませんか」と言われたのが、入会のきっかけでしょう。といっても最初は参加したのは私だけでしたが。それからは少しずつ社員が参加するようになりました。その後、会社の会議で企業として富士山クラブを応援することを提案し、賛同を得られ今にいたっています。
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御社、独自にも清掃活動を続けられているようで。
前田
富士山クラブのイベントは土日が中心ですが、実は我々の仕事は土日が忙しいので、平日に会社単独で、毎回15人程度の社員が集まり、清掃活動を行っています。最初は張り切って5月から10月にかけて月1回行っていましたが、さすがに夏は暑いし、草が生えポイ捨てされたゴミが見えないなどの理由から、今は初夏と秋に計4回、行っています。参加人員は社員中心ですが、最近は取引業者さんにもお声をおかけしています。
場所は最初こそ、西湖付近などでしたが、最近は富士山クラブの静岡事務所のご協力も得て、静岡側の清掃に力を入れております。
毎回2トントラックがいっぱいになるほどのゴミを回収する。毎回2トントラックがいっぱいになるほどのゴミを回収する。
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これも地域社会への貢献ですね。
前嶋
最大の地域貢献は税金を払うことなんですが(笑い)、それだけではね。目に見える地域社会への貢献の一つとして富士山への活動、ならびに富士山クラブへの支援があると思っています。また清掃活動は思わぬ副産物をもたらしています。私自身、清掃活動を行う前は、ポイ捨てをまったくしなかったといえば、嘘になります。
しかし、自らゴミを拾ってみると、ふだんもまったくゴミを捨てなくなりました。多分、社員も同じなのでは。結局ゴミを拾うことが目的ではなく、精神的な運動を広めて、そこから環境問題などを考えるきっかけになるのが、ゴミ拾いなのでは。
 
言い換えれば、「自己啓発と地域社会への貢献」は一直線上にあるのではと思います。地域社会に貢献することを自分達の喜びと考え、それらの行為から自分の中にあるものに気がつくことが、理想ではないかと思っています。
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富士山への活動が、本業にいい影響を与えているようでね。
前嶋
おっしゃるとおりですね。KSK(環境整備会議)運動などもそのひとつでしょう。わが社は、様々なことを社員で構成する委員会で決め、いわば社長の私は最後の決断と責任をとる方式にしたいと思っています。その委員会の一つがKSKです。
具体的には「自分達の働く場所は、自分達で綺麗にしよう」との発想から、最初は社内の整理整頓からはじまり、営業所、サービス工場まで、社員が自主的に美化を心がけております。これなんかも、地域社会への貢献からの自己啓発のひとつでは。
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最後に富士山クラブに対するご要望などございましたら、お聞きしたいのですが。
前嶋
富士山クラブの清掃活動は素晴らしいことと思っています。しかしそれ以前にゴミを捨てない、捨てさせないキャンペーンみたいなことができないですかね。というのも、我々が一生懸命ゴミを拾っても、2、3ヶ月経つとまたゴミが捨てられているところが多い。ですから富士山クラブとして、もう少し公共団体などに「ゴミ捨て防止」などを訴えていけないものかと思いますね。
 
もう一つ言えば、捨てられているゴミは、ペットボトルか飲み物の空き缶がほとんどです。もう少し、メーカー並びに販売する側に富士山クラブが声をかけて、清掃活動への参加を促すことはできませんか。あなた方が作り、売っているものが、富士山をこんなに汚しているんですよ、と分かっていただきたいですよね。
 
さらに言えば、富士市、富士宮市の我々の地元で、会員さんを増やしていき、富士山クラブが活動し、もっともっとその活躍を地元の会員を通じてPRできればと思います。地元の人たちのバックアップがあれば、富士山クラブの活動ももっともっと価値あるものになるのではないでしょうか。そのためなら我々は喜んで礎にならせていただきます。

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最終更新日  2018年11月 8日