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団体会員トップに聞く Vol.09

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貸し別荘:パインツリー 有限会社富士喜 遠山喜一郎社長

山麓から見続けてきた富士の四季
改めて思う、その美しさは未来からの預かりもの

貸し別荘:パインツリー 有限会社富士喜 遠山喜一郎社長貸し別荘:パインツリー
有限会社富士喜
遠山喜一郎社長
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貸別荘「パインツリー」の生い立ちからお願いします。
遠山
創業は1969(昭和44)年と、結構古いんですよ。もっともはじめたのは父で、最初はいわゆるモーテルでした。90年に私が引き継ぎ、4年ほど同じ形態で商売をさせていただいたんですが、お客さんはだんだん少なくなる。さらには24時間営業というのも、家族経営には堪える。このままでは早晩立ち行かなくなるなと、悩んでいたときに、伊豆に「貸別荘」があると聞きました。宿といえばご承知のようにホテル、旅館、民宿などに分かれますが、96年当時は貸別荘というものがあまりなく、「これは新しい」と、その年の7月に思い切って露天風呂付きの一戸建てに模様替えをしました。今はそうでもありませんが、12年前は「貸別荘」もさることながら、部屋付きの露天風呂も珍しい存在でね。それがお客様に受け入れられたのでしょう。利用される方が徐々に増えていくようになりました。
 
いまはすべての部屋に露天風呂・TV(地デジ対応)・ビデオ・コンポステレオ・冷暖房完備・ウォシュレット・キッチンが付き、一般家庭にある調理用具、調味料も基本的なものはすべてそろっております。お酒と食材をお持ちいただければ、着いたその時から、ご自分の別荘感覚でお寛ぎいただけますよ。
コンドミニアム形式の建物1日だけの滞在ではもったいない。我が家のようなくつろぎの空間を提供する。各戸に備えた露天風呂も魅力。
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いわゆるコンドミニアム形式の建物もありますね。
遠山
実は96年の改装時は、すべて貸し別荘にするのではなく、真ん中を塀で仕切って、半分はモーテル形式を残したのです。その後2004年に、モーテルに使っていた建物をコンドミニアム形式の貸別荘に改装いたしました。その時、ちょっと工夫をしましてね。それぞれがメゾネットタイプの2階建てなのですが、1階の天井が少々低い。そこでその低さを逆手に取り、50インチのプラズマディスプレーに、 5.1サラウンドという設備を入れ、本格的なホームシアターが楽しめる部屋へと作り変えました。
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お風呂は温泉ですか。
遠山
ヘルストン麦飯石を用いた人工温泉で、麦飯石の間を循環させ、ボイラーで加温して使っていますが「良く温まる」と、お客様から好評を頂いています。当初は富士吉田市の鐘山にある、富士吉田市の温泉スタンドから定期的に運んでいたのですが、温泉スタンドのポンプが壊れたのを境に、富士山の湧き水を沸かしています。
精進湖1時間20分で120枚程撮った。撮っている間中、無風で湖面は鏡の様。(2008年1月8日精進湖  遠山喜一郎氏撮影:ブログから転載)
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ところで、IT化にも早くから着手されていたようで。
遠山
はい。モーテルはどちらかといえば近在の方や、観光客の方が利用されるのに対し、貸別荘となりますと、「今度の休みに富士山の麓に」というお客様に前 々から予約をいただき、いらして頂く商売です。これはネット社会を利用しない手はないと、貸別荘に模様替えしたときに、ひらめきました。当時はまだ、ウインドウズ95の時代ですが、この貸別荘を紹介するホームページをさっそく作り、インターネットを使って宣伝を始めました。
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手ごたえは
遠山
2002年には、20万ヒットを達成し、いま現在125万ヒットで、フロントページへのアクセスは一日に、約300から400件のアクセスがあります。実は今年、急にヒット数が増えました。というのは、昨年の12月から冬の山中湖へ早朝、毎日のように出かけ、富士山の写真を撮り、HP内にありますブログに掲載しました。その写真を見に来られる方がたくさんいらっしゃるんですね。HPのログを解析すると6万ヒットから8万ヒットを頂いています。最近では河口湖畔でのハーブフェスティバルなど、写真を中心に富士山麓のあれこれを、紹介しています。中には精進湖畔に満月と御山を撮りに行ったものの、霧にかすんだ湖面しか撮れなかった時の話など、まさに「生の富士山麓」の出来事を楽しんでいただけるはずですから、是非一度ホームページ、http://kashibesso.comをお訪ね下さい。
精進湖天気良し、御山に雲も無し、ダイヤモンド富士狙いで出掛けた。(2008年2月8日山中湖  遠山喜一郎氏撮影:ブログから転載)
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写真がご趣味なのですか
遠山
父に愛用のカメラを貰ったのが中学生の時ですね。それから撮り続けています。実は一時期8ミリカメラにも凝りまして、1975年当時の「吉田の火祭り」を8ミリで撮った映像を、これもブログにも掲載しています。2000年からは本格的に富士山の写真を中心とした写真を撮りはじめ、昨年(2007年)1月から今年のお正月までの1年間で富士山だけでも1万枚撮影しました。出来の良いものをブログで公開しています。
まあ、ブログは写真が中心ですね。写真が1枚あれば一編の小説より勝る、というわけではないのですが(笑い)。
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ところで、ここに泊るのに、もっともお薦めの季節はいつですか。
遠山
やはり1月でしょう。まず富士山を見られる確率が高いこと。さらに冬の早朝の富士山はいいですね。お酒を飲んで、お休みになるだけではなく、ぜひ早起きされることをお勧めします。例えば山中湖畔からの富士山など、これまでご覧になった富士山とは、まったく異なる色の富士山を観る事も出来ますよ。また5月から6月にかけての「山笑う」新緑も見事ですね。
富士山で育ち、富士山で暮らす地元っ子。写真のこと、イベントのこと、富士山のこと、グルメのこと、何でもアドバイス。富士山で育ち、富士山で暮らす地元っ子。
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それでは、富士山を撮影するベストスポットは?
遠山
そうですね。いろいろありますが、近くなら、富士吉田市にある忠霊塔(戦没者慰霊塔)越しの富士山などは、いいですね。これもホームページでぜひご覧下さい。そのほかにもホームページに多数載せてあります。このパインツリーまでお越しいただければ、その季節、時間によってお薦めの撮影スポットをお教えします。お客さんに「写真撮りに行くんだけど、一緒に行きませんか」と誘われるのは大好きです。実は今年、お客様に是非ご一緒にと頼まれて、すでに5、6回お供しています。
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ご商売とご趣味がほとんど一致されておられるようで。
遠山
まったくその通りで(笑い)。

登るなら、一合目から自分の足で

ヒヨドリが巣立ったようだ。庭のヒメシャラの木で、何やら騒がしく鳥が鳴いていた。ヒヨドリが巣立ったようだ。(2008年7月12日 遠山喜一郎氏撮影:ブログから転載)
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環境への配慮もされておられるのですか。
遠山
それほど大げさなものではありませんが、コンドミニアムの2階に太陽光発電のパネルが76枚並んでいます。最高で9.9キロワットの能力を持っております。ご承知のように旅館業はお客さんがいらしても、いらっしゃらなくても暖房便座にウォシュレット、冷蔵庫、温泉機など常に稼動しているものが多い。その分を太陽光発電で賄っている勘定ですね。
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バーベキューも売り物のようですが、燃料に炭をお使いですね。やはり化石燃料の消費を少しでも抑えようという考えからですか。
遠山
それもありますが、都会の人たちは多分、日常生活で炭をお使いになる機会は、今やほとんどないでしょう。ですから非日常的な楽しみとして、炭をお使い頂き、かつガスで焼くのと異なる味を楽しんで頂ければと思っています。
富士山開山祭「富士山開山祭」が、北口本宮冨士浅間神社で、今年も盛大に催行された。夏山登山開始を告げる山麓の風物詩。(2008年6月30日 遠山喜一郎氏撮影:ブログから転載)
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ところで富士山クラブに入会されたのは。
遠山
富士山クラブから団体紹介のお便りを頂いたのがきっかけです。わが社の正式名称が「富士喜」で、頭に「富士」が付いているせいでしょうか。あるときお便りをいただきまして、富士山に関するさまざまな活動をされていることを知り、それならば、と入会させて頂きました。特に当時、富士山の現状を写されたパネルを各地で展示されていましたよね。その中の、山頂付近の山小屋のトイレから、トイレットペーパーの白い川が流れている写真を見て、「これではいかん。何とかしなければ」と思った事も大きいですね。
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その後も富士山の麓でご商売を続けておられるわけですが、最近の富士山について何かお考えはありますか。
遠山
なるべくなら、車を使わずに下から、金鳥居、北口本宮冨士浅間神社、一合目から五合目へと、ご自分の足で富士山に登っていただければと思います。お歳を召されて歩くのが大変なら、せめて五合目から徒歩で下るなど、いろいろな方法はあると思うのですが。また富士山にはキャパ(定員)、言い換えれば人間が登って丁度よい人数があるのでは。最近はそれを超えてしまっているのではないでしょうか。山頂だけで30万人以上も登ってしまったら、折角のバイオトイレも機能しているのだろうかと心配になるほどです。
お山開きに相応しい、素晴らしい朝だった。お山開きに相応しい、素晴らしい朝だった。紫掛かった赤い雲、流れる滝雲、光りも雲も、それ見ろ!とばかりに演じてくれる。雲が湧き、嘯山(うそぶきやま)を覆い隠し、また朝陽に吸い寄せられる様に山肌を下る。(2008年7月1日 遠山喜一郎氏撮影:ブログから転載)
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環境と観光の兼ね合いが難しいですね。
遠山
おっしゃるとおりですね。商売抜きにしても、世界中の人々に美しい富士山を見てもらいたいし、来てもらいたいしと思う半面、その美しい富士山は(未来からの)預かりもの、美しいままに後世に残さなければいけない。そのためにある程度の制限を設けなければいけないのかなとも思います。また入山料をとって、それを環境保全につかうことも考えられるのでは。いずれにしても、東京からバスで来られて、5合目まで行き、そこから登るだけではない、まったく違う富士山の楽し み方はたくさんあります。ぜひそんな富士山を満喫して欲しいですね。
 
また、これこそまさに環境と観光の兼ね合いになりますが、吉田口登山道を歩いて下りてきた時に、残念に思ったことがあります。昔なら林の向こうに湖が見え、絶景が広がるはずのところに木が成長して生い茂り、今ではまったく見えません。昔と同じ風景が楽しめるようにするなら、木を切ればいいのですが、果たして切ることがいいのか、自然のままにすべきなのか、まさに悩ましいところですよね。景色が良くなれば歩く人は増えるとは思うんですが、いかがでしょう。
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最後に富士山クラブに一言いただけますか。
遠山
日ごろから地道な活動ぶりを評価しております。西湖のもりの学校も素敵ですね。これからも富士山のために活動し続けることを期待し、応援します。

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最終更新日  2018年11月 8日