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入会・支援

団体会員トップに聞く Vol.11

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株式会社遠井保険事務所 遠井洋文代表取締役

目指すは保険の「ビフォアーサービス」。環境保護でも一歩先へ。
子ども心に思った「富士山は世界一」が、守る気持ちの支えに

株式会社遠井保険事務所 遠井洋文代表取締役株式会社 遠井保険事務所
遠井洋文 代表取締役
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富士山クラブに入られて5年になられます。入会のきっかけは。
遠井
実は沖縄の南大東島なんです。大東オオコウモリや鍾乳洞など島ならではの自然を楽しむために行ったとき、同じ宿に富士山クラブの方がいらして、隣で宿の主人と、山の環境などのお話しをされていた。そこで初めて富士山クラブの存在を知り、帰ってきてから調べさせていただき、これならと入会いたしました。
 
実は私は富士山には特別な思い入れがあります。子どもの頃、父の仕事の関係で当時の吉原市、今の富士市に引っ越しました。そこは富士山の湧き水は美味しいし、どこかへ遊びに行くといえば富士山でしょ。それに毎日、富士山を眺めていられるわけですから、子どもながら、「四季を通じて、なんて形のいい山なのだろう」と思っていました。こんな印象的な姿が、自然の造詣の賜物ということが、驚きですね。世界的にも珍しいのでは。昨年、趣味のヨットで仲間と一ヶ月ほど、地中海をクルージングしました。その時、かの地の明峰を多数見ましたが、富士山ほど美しい山はありませんでした。
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その富士山、最近、世界遺産の暫定リストに載るなど、なにかと話題ですが、今の富士山の置かれた現状をどう思われますか。
遠井
正直申し上げて、富士山が世界遺産に登録されるかどうかは、まったく興味はありません。そのためにゴミの無い富士山を「作る」気はありません。これも外国の話で恐縮ですが、以前、ハワイのエコツアーに参加したときの話ですが、事前に人数を制限し、入山料として州に寄付を支払いました。さらに歩きはじめる前には、服装から何から厳しくチェックをされ、中での行動も多くの注意を受けました。しかしいざ歩き始めると、「トイレはどこでも自由にどうぞ」といわれてびっくりしました。要するに、自然が許容する人数しか中に入れてないんですね。またトレッキングの始めと終わりには、履物の土を入念に落とすよう、ブラシが設置されていました。富士山も入山規制をする時期なのではないでしょうか。また欧米、特にヨーロッパの人は古いものを大事にしますね。家でも200年、300年は当たり前ですから。それに比べ日本は、というわけではありませんが、もう少し古いものを大事にしてもいいのでは。それが自然を守る気持ちにつながるのではないでしょうか。
富士山クラブの定例清掃に社員とともに参加富士山クラブの定例清掃に
社員とともに参加(2007年10月28日)
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富士山クラブの清掃活動によく参加されていますね。
遠井
そうですね。昨年、一昨年はかなり参加していますね。昨年は社員総出でしたね。しかしいまのところ社員にこちらからは呼びかけません。行きたいなと思う気持ちを大切にしたいと思っています。本音を言えば「社長、次の清掃活動はいつですか?」と聞いてくれるとうれしいのですが。なかなか。
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富士山クラブ以外でも、会社として、いろいろなボランティア活動に参画されていますね。
遠井
そんなに大上段に構えているわけではないのですが。世の中のために少しでもお役に立てれば、という気持ちからです。例えば財団法人・日本盲導犬協会は、単に私が犬好きで、家に帰れば2頭が出迎えてくれます。そんな関係で最初は募金箱を顧客企業に置いていただいたのがはじまりです。それだけではと、わが社は、東京都の保険加入のお手伝いをしておりますが、その手数料の数パーセントを寄付しています。
 
財団法人・ユニセフは、年末に世界の子どもたちが制作した絵葉書が送られてきたので購入したがきっかけですね。その関連ですが、保険会社などからもらうボールペンは社員が使わずにためておきます。それを東南アジアの子どもたちにプレゼントしています。毎年12月には、タイ王国の誕生日を祝うヨットレースに参加しており、その時持参し、現地の子どもたちにいつも喜ばれています。
 
NPO・OWS(The Oceanic Wildlife Society)は海の自然環境やそこに住む生きものたちを広く紹介し、未来につながる持続的な環境保護意識の定着を目指している団体です。我々はこれにも募金箱設置で応援していますが、ちょっと変わっているんですよ。年末になると事務所にたくさんカレンダーがきます。それをまとめて事務所前の道路に「ご自由に」と置いておきます。募金箱と一緒にね。するとカレンダーは瞬く間になくなり、募金箱にも多少のお金が入っています。
 
あとは私の自宅近くの井の頭公園かな。地元の小学生が公園掃除などを行いながら、池を汚さないための知識の普及を図っています。さらに行政も「泳げる井の頭」と、浸透ますの設置などで、水質浄化を目指しており、それにはさまざまな方法で協力しています。しかし、池にたくさんいる生き物は、本当に水がきれいになったほうが、うれしいのでしょうか。これは自然保護活動と生物の多様性のバランスかも知れませんが、そんなことを悩みながら、環境を守る活動をしています。
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ところで、富士山クラブにご提言、ご提案はありますか。
遠井
正直、皆さんよくやられていると思います。ただし、これは一部のスタッフの方にお話ししたことはありますが、清掃活動などにもう少し、遊びの要素をとりいれてくれたら、もっと参加者が増えるのでは。例えば昨年こんなことがありました。インストラクターの一人が清掃活動中に、尾篭な話で恐縮ですがイノシシの糞を見つけました。地元の人は慣れていても、都会の人間には驚きですよね。「ちっとも匂わない」「結構大きいね」など一時盛り上がり、なにか自然がより身近なものに感じられました。遊びといっても大げさなものではなく、こんな感じのものが入ればいいのでは。
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そろそろお仕事のお話しをお聞かせください。保険とのお付き合いはもう長いのですか。
遠井
20代は営業職として、結構がんばっていたのですが、ふとむなしさを感じで、特に当てがあったわけでもないのですが、会社を辞めてしまいました。しばらくのんびりしていたのですが、あるとき新聞の求人欄の「保険の代理店経営者募集」という広告をみて、「とりあえず話しだけでも」と応募したのがきっかけですかね。
 
保険にはご承知のように、損害保険と生命保険がありますが、実際にはじめてみて、保険のなかで特に損害保険はやりがいがある仕事だと思いました。というのも損害保険は利害関係を伴う二人の当時者、たとえば交通事故なら加害者と被害者がいるわけですね。この間に入って調整し、うまく話しをまとめた時の達成感は、この仕事をやっていてよかったと思いますね。

事故は減らすものではない。ゼロにするもの

遠井保険事務所の玄関遠井保険事務所の玄関。
「保険のイロハから」という意味が込められている 「ABC」の3文字には、 また「安心」「便利」「親切」の頭文字でもある。
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数多くある保険代理店の中で、御社の特徴は。
遠井
一つは提案型というか。お客様に、保険金をお支払いいただき、万が一のとき保険金をお支払いする、という基本は変わりませんが、さまざまな商品を組み合わせることで、そのお客さまに合った保険をご提案するよう心がけています。また保険会社の広告を見ていますと、とかくアフターサービス、つまり何か起きた後のサービスの充実振りを謳っている会社が多いのですが、本当は保険をかけていただいても、何もおきないことが双方にとって一番いいことなのでは。特にわが社は、企業相手の損害保険が主ですからアフターサービスはもちろん、それに加えてビフォアーサービスを提案しています。
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具体的には?
遠井
例えば建設現場などは、労災事故が起こりやすく、それだけ保険金は高くなります。しかし無事故が続けば、自動車保険と同じで年々掛け金は安くなります。では事故をなくすのにはどうしたらいいのか。そこを考えました。
 
建設現場に限らず、運送業でもどこでも無事故を願っており、例えば講習会なども、煩雑に行っています。しかしともするとそれが、終業時、疲れているときに行うため、効果が半減するケースもしばしばです。そこで朝礼用に1分、5分さらには1時間というコース別の安全指導マニュアルを作りました。
 
例えば建設会社の現場の1分間コースは「今朝朝食で梅干を食べてきましたか」とはじめます。「今日も無事故で」なんてはじめれば、誰もが「またか」と聞いてくれません。しかし、いきなり「梅干」といえば、落語のまくらと一緒で「え?」と聞き耳を立てるでしょう。そこで「血液サラサラ」の話しをするわけです。統計的にみても血液がサラサラの人のほうが怪我をする確率が低いのです。また運送業なら「昨夜、天気予報を見ましたか」とはじめます。そこで「雪かも」といえば、それなりの装備をしてくる。「彼岸の入り」と聞けば霊園の近くが渋滞するから、そこを避けることで焦る気持ちが無くなる。
 
ここで話すと、たわいないような話しに聞こえるかも知れませんが、これで実際に事故率は確実に下がっているのです。事故は「減らす」ものではありません。「ゼロにする」ものです。
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個人客相手のご商売は。
遠井
いろいろありますが、ダイバーのための保険かな。水中に潜るダイビングは当然のことながら事故も多い。それに加えて身に着ける装置が大変なのです。普通の装備でも30万、40万相当の機材を背負って潜るわけで、もし潜水中に壊したりすると大変な出費です。これをカバーする保険で、いわばニッチ商品でしょう。もう一つこの保険の特徴は、遭難時の救助にかかる費用も面倒見ることにあります。山と違って海は遭難時、漁船に出動してもらっても、その費用は誰が持つかなど決まっていません。そのために行方不明になった初期段階でなかなか出動を頼みにくい。そこで漁協との間で出動時のルールを作り、その際にかかる経費を保険でお支払いしようというものです。これができたお陰で、有償での捜索を、迷わず要請できるようになり、安心感が増したようです。
お客様との対応は、はぎれよくがモットーお客様との対応は、はぎれよくがモットー
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ところで、社長室の壁に「勧誘方針」が貼ってあります。これもなにか特徴はあるのですか。
遠井
基本的には、保険会社が作る一般的なものですが、わが社ならではの一文もあるのですよ。ホームページでも同じものを掲載しておりますが、その中の「勧誘の方法」の①に「お客さまの誤解をまねくような表示や説明は行いません。・歯切れよく説明することをモットーにしております」もそうですね。
 
わが社はお客さまとお話しするとき「...と思います」は禁句なのです。例えば損害保険の場合、なにか起きた直後に電話をされて来る方が多い。例えば「雷でパソコンが壊れた。補償されるか」などね。その時こちらの担当者が「と思います」といったら相手はどう思うでしょう。なにか不安になりません。ここは自信をもって「補償されます」といわなければプロではない。分からなければ私なり誰でもいいから聞いて答える。さらに万が一間違ったことを、自信を持って言ってしまったら、すぐ訂正する。これが歯切れのよい応対というわけです。
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1984年の創業ですから、かれこれ20年以上になります。今後の夢は
遠井
リスクマネージメントと、代理店の専門家を育てる学校の設立ですね。前者は機会があって、アメリカのその手の保険を扱っている代理店で研修しましたが、日本とのあまりの違いにびっくりしました。そこはニューヨークの公園のリスクマネージメントを受託。数人の担当者が公園の中にプレハブ小屋を建て一、二週間常駐し、道路の段差から、手すりの耐用年数まで、「リスク」を割り出し、改修すべきものは直し、それでも危険なものには保険をかけることを薦める。日本でこんなサービスをトータルにできる代理店が果たしてあるでしょうか。10年、いや20年以上遅れているのでは。
 
また学校ですが、代理店の育成機関は今、日本では保険会社の中にしかありません。これでは、独立しても例えば、国内と外資双方の保険会社を同時に扱うことなどが難しくなります。そこでまったく独立したいわば「代理店業育成大学」を作り、その場で学問として、保険の代理店業務を身につけられればと思います。それが私の生涯の夢ですね。

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最終更新日  2010年4月 1日