一般的にあまり知られていないことかもしれませんが「森」と一口に言っても、その役割や求められるものはさまざまにあります(図-1)。また森だけに限りませんが、自然は多くの問題を抱えているように思います。その原因のひとつには「人と自然の距離」が離れてしまっていることがあげられるのではないでしょうか。環境問題は、何よりも身近に感じ自分ごととして考えることが大切だと思います。普段は街のスーパーやネットで買って食べているものを、自然の中で育まれている状態で、見て、触れて、恵みとしていただくことで、その「距離」を少し縮めること、また「自然の恵みを生かすことで森は豊かになる」、そんな気づきを参加者のみなさんにお伝えし共有することを活動の目的のひとつとしています。
かつて富士山に広く存在した原生林はその多くが失われました。また、地球温暖化などを起因として異常繁殖した二ホンジカによる樹皮剥ぎ等の被害が深刻化を増すなど、森林生態系の崩壊が顕在化しています。
富士山クラブでは2000年の静岡森林管理署との協定締結以来、富士山に本来あるべき自然林復元を目的とした森林保全活動を開始、今年度からは、里山(富士宮市北山地区、標高400m)・奥山(富士山国有林、標高1,200m)の森づくりと位置付け活動全般(図-2)を、山体から麓まで総括的視点で捉えた森林保全・専門的作業スキルの向上・環境保全啓発プログラム活用等を視野に入れ取り組みを始めています。
当団体だけでは及ばないことが多々ある中で、静岡森林管理署をはじめ、任意団体 森のたね、NPO法人 富士山の森を守るホシガラスの会のご協力のもと活動を実施しています。
現在、富士山地域の森林においては、前述の野生動物の食害対策や、固有遺伝子の保全、人工林の整備など新たな問題への対策も急務となっています。
これらの解消に向けた一助となる具体的活動と、一般の方に向けた現状の周知、意識啓発に繋がるプログラムの考案/実施を行っていきます。何よりも、そこで触れ合い感じることが、森や自然を知ること、守ることに繋がるように思います。図-2の構想にあるような、間伐材を利用し森の恵みを享受する養蜂やキノコ栽培等、楽しみにながらご参加いただけるコンテンツをご用意しています。富士山クラブの森づくり活動へのご参加ご協力をどうぞよろしくお願いします。
この活動への助成・支援
コスモ石油エコカード基金(2018年度~2020年度)
セブン-イレブン記念財団(2011年度~2013年度)
富士山南麓森林調査・西臼塚ふれあいの森・北山工業団地・竹林整備
森永乳業マウントレーニア寄付プログラム(2009年~2013年)
西臼塚ふれあいの森・北山工業団地・富士宮市有林での植樹(1800本)他