事務局長　ごあいさつ

富士山クラブ会員の皆さまへ

初めまして。新年度から事務局長を拝命した七井(なない)と申します。よろしくお願いいたします。この３月に４２年に及んだ記者生活を終え、４月から皆さんと一緒に自然保護活動に汗を流すことをたいへん楽しみにしております。

富士山クラブとは、毎日新聞社の富士山再生キャンペーンの担当をしていた2004 年以来、お世話になってきました。野口健理事長とも、そのころからのお付き合いで、不思議なご縁を感じております。

会社在職中は、環境分野で初めてノーベル平和賞を受賞された故ワンガリ・マータイさんを日本に招き、ＭＯＴＴＡＩＮＡＩキャンペーンという環境キャンペーンを展開してきました。マータイさんは 2011 年に亡くなりましたが、その遺志は植林だけでなく、女性や子どもたち、社会的弱者の保護、権利の拡大といった形でケニアや日本、世界中に大きな足跡を残しています。

マータイさんはユーモアあふれる女性でしたが、自分には厳しい方で、いつも熱心に仕事をされている姿が印象的でした。「美しい環境を次世代の子どもたちに残すために、私たちは今の２倍働かないといけない」というのが口癖でした。そして、こう付け足すのです。「未来は、ずっと先にあるわけではありません。未来は今にあるのです。将来、実現したい何かがあるなら今、そのために行動しなければなりません」。

コロナ禍やウクライナ侵攻、インフレの高進などなど、暗いニュースが続きますが、私たちの視線の先には、いつも雄大な富士山がどんと構え、やさしく見守ってくれています。マータイさんの「今にある未来」と富士山クラブのより良い未来を実現するために、微力ながら努力していきたいと思いを新たにしているところです。

2022 年 6 月

認定特定非営利活動法人 富士山クラブ

事務局長 七井辰男