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生物多様性を守る

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生物多様性を守る

富士山クラブは清掃活動だけをしている団体ではありません。その当初は富士山にバイオトイレを設置することが、大きな活動の柱でした。富士山クラブ宣言にあるように、富士山がはぐくんできた「水と緑と命を守る」ためには、清掃だけでなく、さまざまな活動を展開する必要があるからです。

皆さんは生物多様性という言葉を聞いたことがありますか。この地球にはおおよそ3000万種類の生物が生息していると見積もられています。国際自然保護連合(IUCN)の2008年版絶滅危惧種リストでは、生息状況の分かっている世界の約4万4000種うち、1万6928種(38%)が絶滅の危機にあるとされています。

生物の多くは熱帯雨林に生存し、熱帯雨林を守ることは地球の自然の将来を守ることだと考えられています。ただそれだけではなく、日本にも希少な植物や動物が生息しており、里山や小川を守ることによって、生物多様性を維持するための取り組みが行われています。富士山にも固有の自然や生物があり、これを守ることも富士山クラブの大きな活動の柱です。

富士山の固有な自然といえば、まず思い浮かぶのが青木が原の樹海です。9世紀に起きた富士山の大噴火によって、富士山麓を溶岩が覆い尽くしました。しかし、そこにたまった水が小さな植物を育て、溶岩の上に木々が強く根っこを張って、独自の景観をもつ樹海が1200年以上をかけて、少しずつできあがりました。富士山クラブが行っている清掃活動の中心もこの樹海の中です。

一方、全国的に深刻な問題となっているのが森林の荒廃であり、富士山も同じ問題を抱えています。富士山クラブでは森づくりを進め、シカの食害から森を守る活動もしています。それと並行して富士山麓の森林調査も進めています。富士山の周辺の深い林には、巨樹が多く存在していますが、十分な情報がありません。これらを一つ一つ丁寧に見つけ出し、計測して、記録し、生物多様性を守るための基礎データとして役立てようと活動しています。

富士山には数々の固有種が存在しています。たとえば、フジハタザオ、フジアザミ、フジザクラ(マメザクラ)などは富士山周辺に分布する固有種ですし、また、富士山だけではないですが日本固有種も数々存在しています。

生物多様性を守るための新しい活動の一つとして、特定外来植物の駆除もこれからの問題となりそうです。富士山麓を通る道路の脇にはたとえば、オオキンケイギクという外来植物が繁殖しています。もともとは高速道路や堤防をグリーン化して見た目を良くするために導入され、富士山麓でも道路わきに植えられたものですが、繁殖力が強く、固有種を圧迫することが懸念されています。富士山クラブでは特定外来植物の分布や固有種への影響を調査しようとしています。

最終更新日  2010年7月20日